目が赤い

- 霰粒腫(さんりゅうしゅ)
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霰粒腫とはまぶたの中に球状のぐりぐりとしたしこりが出来る病気です。
細菌によっておこる麦粒腫(ものもらい)とは違い、無菌性でほとんどの場合痛みは
ありません。脂肪の分泌する腺がつまってできるしこりです。
痛みがなければ放置しておいても構いませんがゴロゴロした感じが気になるようでしたら手術をお勧めします。
手術前に検査が必要ですが、10分程度の手術時間で外来で行います。
炎症があり痛みがあるうちは、触らず点眼薬をしっかりつけてください。
また寝不足・長風呂・深酒などは炎症を引き起こす場合がありますのでひかえましょう。
- ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)
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「ぶどう膜炎」という聞きなれない病気について簡単にご説明します。ぶどう膜炎とは目の組織の一部であるぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)を中心に炎症が起こる病気です。
症状は主に霞み(白っぽく見える)・羞明(まぶしい)・充血・痛みを伴い視力が低下するものです。これらは放っておくと視力が回復しないほどのダメージを負うこともあり、早急に診断して治療を開始する必要があります。ぶどう膜炎は原因が特定できないものから、何らかの病原体に感染し生ずるものまで
多種に及びます。原因が特定できないものについては免疫が関係するものがあります。免疫にも「自己免疫」というさらに聞きなれないものがあります。
免疫とは体に異物(ウイルスや細菌等)が入ってきたときに自分の身体を守るために起こす反応ですが、それが「自己免疫」では何かの拍子に自分の身体が自分(ここでは眼)を免疫反応で攻撃してしまう現象です。
検査としては一般的な眼科検査の他に、眼内の炎症がどれだけ強いかを判断するのに
重要な検査として「蛍光眼底造影検査」という網膜の血管を映し出す検査を行い現状の評価をすることもあります。
感染性ではその病原体に対して点眼・内服・注射投与で治療を行うこともあります。
また、感染性でも自己免疫性でもぶどう膜に対する炎症であるため、ステロイド点眼、眼局所注射、全身精査で問題がなければステロイドの内服を行うこともあり、その時の眼症状によって治療を判断しています。
- 流行り目(はやりめ)
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目が赤い・目やにが出るというと結膜炎の場合が多いのですが結膜炎といっても種類がいろいろあるのをご存じですか?
原因によって細菌性・アレルギー性・ウイルス性に分けられます。 はやり目はこの中のウイルスの感染によって起こる結膜炎のことをいいます。
症状は強く、充血・目やに・涙・まぶたの腫れなどがあり、伝染力も強いのが特徴で
治るまでには1~3週間かかります。夏期にはプールでもうつることがありますので注意が必要です。自分で判断しないで
症状は1~3週間で回復しますが、この頃に角膜に小さな点状の星が出てきます。
ここで治療をやめると黒目がにごり視力がおちてしまいます。完全に治ったかどうかの判断は必ず医師の診断にまかせましょう。 また症状の度合いにかかわらず早めに眼科の診察を受けましょう。特に赤ちゃんの場合、発熱や食欲不振などの合併症が出て黒目もにごってきます。
こういう場合に赤ちゃんは目を開けませんので、保護者の方は充分注意して見てあげてください。
- 翼状片(よくじょうへん)
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紫外線の浴びすぎや体質的なものがありますが今のところ不明です。
小さいものは様子を見ます。ただし充血や炎症を起こした時には点眼薬を使用し炎症を抑えます。大きくなる場合は手術しますが手術後に再発することもあります。手術は15分程度の時間で日帰りで行います。
手術後には痛み・充血・ゴロゴロする感じがしばらく続きます。
※視力が落ちてから手術をしたのでは瞳に傷が残り視力が回復しにくい場合も
あります。手術の時期については医師とご相談ください。
- 結膜炎(けつまくえん)
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眼球を覆う薄い膜である結膜に対して起こる炎症が「結膜炎」です。
細菌性・ウイルス性・免疫性(アレルギー)があります。細菌性に対してはその細菌に合う抗菌薬の選択が重要です。場合によっては眼脂(目ヤニ)を採取して菌の同定を行うこともあります。免疫性とは主にアレルギー性結膜炎ということになりますが、治療はアレルギー反応を抑える薬を使用します。抗アレルギー剤・ステロイドホルモンの入った目薬の併用ですが、症状が強いときは内服薬を服用する場合もあります。
ステロイドホルモン入り目薬には副作用があり市販はされていません。市販されている目薬は抗アレルギー剤ですがそれだけでは症状は改善されないのが現状です。 副作用の種類としては眼圧の上昇などが挙げられます。気づかずに使用し続けていると細菌への抵抗力が減ったり白内障を併発したりしますので必ず定期検診を受け医師の指導のもと副作用が出ていないかをチェックしながら使用するようにしてください。
アレルギー性で最も有名なのが「花粉症」であり現在では花粉症が流行する前に点眼を開始することで、そのシーズンの症状を弱めることが可能です。
そのため、花粉症の時期になる前に早めの受診を心がけましょう。
- 結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)
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結膜(眼の表面の膜)内の小さい血管が破れて出血した状態です。
見た目には白目部分が真っ赤に染まったようになります。違和感はあるものの痛みは
ないことが多く、1〜2週間程度で自然に治癒するのが普通です。
ただ症状がひどい場合は2〜3ヶ月かかることもあります。