ものが歪む
加齢黄斑変性(かれい おうはんへんせい)
加齢黄斑変性は黄斑の加齢に伴う変化によっておこる病気で、高齢者の失明原因の一つです。黄斑部に網膜の下の組織である脈絡膜(みゃくらくまく)から発生する新生血管が原因で起こる滲出型と、網膜の細胞が加齢により変性し老廃物が蓄積して栄養不足になり徐々に萎縮する萎縮型とあります。
萎縮型は進行が緩徐で気付かない人もいます。しかし、時間とともに新生血管が発生し滲出型に移行する事もあります。新生血管はもろくて弱いため、破れて出血したり、血液中の成分がもれ出して、黄斑が腫れ、物が見えにくくなります。
治療
1.抗血管新生療法―当院で行えます
体の中には脈絡膜新生血管の成長を活発化させるVEGF(血管内皮増殖因子)という物質があります。抗血管新生療法は、このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射する事により新生血管の増殖や成長を抑制する治療法です。
2.光線力学的療法(PDT)―当院では行えず大学病院などへ紹介しています。
光に反応する薬剤を体内に注入したあとに、病変部にレーザーを照射する治療法です。弱いレーザーで薬剤を活性化させ、網膜のダメージを抑えながら、新生血管を退縮させます。
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加齢黄斑変性(かれい おうはんへんせい)
網膜、脈絡膜に生じた新生血管(本来ないもの)により黄斑部の変性をきたします。治療には抗VEGF抗体の硝子体注射を行っています。
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黄斑上膜(おうはんじょうまく)
網膜の一部である黄斑の上にフィルムが張り、黄斑が浮き上がってしまい、視力の低下につながることがあります。
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黄斑浮腫(おうはんふしゅ)
糖尿病網膜症、網膜血管閉塞やぶどう膜炎が原因による黄斑の浮腫(むくみ)です。治療は硝子体内に抗VEGF抗体やステロイドを注射したり、場合によっては硝子体手術を行うこともあります。
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黄斑円孔(おうはんえんこう)
網膜の機能の中心的な役割を担う黄斑に穴が開いてしまい、視力が大きく下がります。
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糖尿病網膜症(とうにょうびょう もうまくしょう)
糖尿病の合併症です。定期診察が必要で悪化すれば適宜治療が必要です。